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奄美生まれ、奄美育ちのだれより奄美だいすきな主婦が、「自分のような人間でも社会のお役に立ってみせる!」と信じて、見事大成功するまでのストーリー。(何時に完結するかは未定)


by amamiko77
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奄美のスゴさ

私は中学生の頃まで、親が嫌いだった。

正確には、好きではあるが、親に甘えてばかりで、自分の不幸をすべて親のせいにしていた。

その考え方を根底から覆してくれたのは、奄美の昔話と島唄だ。

はじめて奄美の昔話を知り、島唄をきき、その意味を知ったとき、私は雷に打たれた。


『ヤスデのはじまり』
あるところによく似た3人の姉妹がいた。
年老いた父は、自分の財産を最も親孝行な子供に譲ろうと考えた。
3人の姉妹にはそれぞれ生まれたばかりの乳飲み子がいたが、父は3人の娘を集めてこう言った。
「自分はある病気にかかり、ユタに診せたらもう長くないと言われた。しかし、女の乳を飲めば長らえるとも言われた。お前達の乳を私のためにわけてくれないか」
2人の娘は「もうすぐ死ぬお父さんより、我が子の方が大事に決まっている」とつき離したが、末娘は「我が子はまた産めばいいが、父親は一人しかいない、お父さんに乳をさしあげます」といった。
父は末娘に財産をすべて渡したが、2人の姉はそれを妬んで妹を殺し、財産を奪ってしまった。
それを怒った天の神が、二人の姉をヤスデに変えてしまったというお話。
親不孝をし、人の道に外れると死後ヤスデになるという戒めのお話。







『行きゅんにゃ加那(かな)節』

アンマ(母さん)とぅジュウ(父さん)
心配(しわ)だか考げんしゅんな
アンマとぅジュウ
米取ぅてぃ豆取ぅてぃ
みしょらしゅんど(食べさせますから)

(母さん父さん心配しないでくださいね
私が生活のお世話をしますから)





『くるだんど節』

1,なれよ茄子 花の咲きゅん数
一枝のこさず なれよ茄子

2,胸に染めろ 親のゆすぃぐとぅ(諭旨事)
一言のこさず 胸に染めろ

3,アンマ(母)ぬ うかげ(御陰)
大島紬のウサ打ち(織り方)習たんや
アンマぬ うかげ

4,ジュウ(父)ぬ うかげ
そろばんつづむてぃ(弾いて)
読み書き 習たんや
ジュウ ぬ うかげ




この歌をきいたとき、涙がとまらなかった。

すさまじい搾取と飢えに、どんな荒れ地にも生える猛毒のソテツを毒抜きし常食とすることでしか生き延びられなかった時代に、半分の民が農奴になるしかなかった時代に、それでも親の尊さを歌にした、奄美の先人たちの極限の思い。

先人たちのつないでくださった今の時代、めぐまれている私は、どの口で親をなじれるというのか。


それから、私は親のことを「大恩ある存在」と素直に思えるようになった。

あいかわらず甘えているし、生意気なことも言っている。

だが、親を尊敬し、親にお返しさせていただきたいと、素直に思える心をくださった奄美の神に、ご先祖さま方に、そして両親に、感謝している。

人間がそのままでは一生かけても学べるかどうかという崇高な精神を、奄美の歴史が、先人の歌いついできた心が教えてくださったのだから。

郷土とは、尊いものだ。

私は奄美が大好きだ。
by amamiko77 | 2009-09-14 09:17